宅建業者等の一般義務
01 「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない」との規定があるが、宅地建物取引士については、規定はないものの、公正かつ誠実に宅地建物取引業法に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならないものと解されている。
01 誤り 宅建業法31条1項は、「宅建業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない」と規定する。そして、宅建士については、「宅建士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない」と同15条において規定している。
02 「宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない」との規定があり、「宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない」との規定がある。
02 正しい 宅建業法31条の2は、「宅建業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない」と規定している。また、宅建業法15条の3は、「宅建士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない」と規定している。
宅建士の一般義務
03 「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない」との規定があるが、宅地建物取引士については、規定はないものの、公正かつ誠実に宅地建物取引業法に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならないものと解されている。
03 誤り 宅建業法31条1項は、「宅建業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない」と規定する。そして、宅建士については、「宅建士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない」と同15条において規定している。
04 「宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」との規定がある。
04 誤り 宅建業法15条の2は、「宅建士は、宅建士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない」と規定している。つまり、宅建業に従事するときに限らず、信用失墜行為を禁じている。
05 「宅地建物取引業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない」との規定があり、「宅地建物取引士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない」との規定がある。
05 正しい 宅建業法31条の2は、「宅建業者は、その従業者に対し、その業務を適正に実施させるため、必要な教育を行うよう努めなければならない」と規定している。また、宅建業法15条の3は、「宅建士は、宅地又は建物の取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない」と規定している。
06 「宅地建物取引士は、宅地建物取引業を営む事務所において、専ら宅地建物取引業に従事し、これに専念しなければならない」との規定がある。
06 誤り 本肢のような「宅建士は、宅建業を営む事務所において、専ら宅建業に従事し、これに専念しなければならない」旨を定めた規定は存しない。
規制対象となる媒介契約等
07 宅地建物取引業者Aは、Dが所有する丙宅地の貸借に係る媒介の依頼を受け、Dと専任媒介契約を締結した。このとき、Aは、Dに法第34条の2第1項に規定する書面を交付しなければならない。
07 誤り 媒介契約書面の交付義務があるのは、宅地又は建物の売買又は交換の媒介契約を締結したときである。貸借の媒介契約を締結したときは、媒介契約書面の交付義務はない。
08 宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者Bから宅地の売却についての依頼を受けた場合、媒介契約を締結したときは媒介契約の内容を記載した書面を交付しなければならないが、代理契約を締結したときは代理契約の内容を記載した書面を交付する必要はない。
08 誤り 宅建業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介契約を締結したときは、遅滞なく、一定事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。媒介契約の規制に関する規定は、宅建業者に宅地又は建物の売買又は交換の代理を依頼する契約についても準用する。よって、Aは、代理契約を締結したときは、代理契約の内容を記載した書面を交付する必要がある。
媒介契約書面の作成・交付
09 宅地建物取引業者Aは、Bが所有する甲宅地の売却に係る媒介の依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した。このとき、Aは、法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印し、Bに交付のうえ、宅地建物取引士をしてその内容を説明させなければならない。
09 誤り 宅建業者は、宅地の売買の媒介契約を締結したときは、遅滞なく、一定事項を記載した書面(媒介契約書面)を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。しかし、宅建士をして、その内容を説明させる必要はない。
10 宅地建物取引業者AがBとB所有の宅地の売却に係る一般媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買の媒介を担当するAの宅地建物取引士は、法第34条の2第1項に規定する書面に記名押印する必要はない。
10 正しい 一般媒介か専任媒介かを問わず、法第34条の2.1項に規定する書面(媒介契約書面)に記名押印するのは宅建業者であって、宅建士ではない。
11 宅地建物取引業者AがBとの間でB所有の宅地の売買の媒介契約を締結した場合、Aは、Bに対して遅滞なく法第34条の2第1項の規定に基づく書面を交付しなければならないが、Bが宅地建物取引業者であるときは、当該書面の交付を省略することができる。
11 誤り 宅建業者は、宅地の売買の媒介契約を締結したときは、遅滞なく、一定事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。依頼者が宅建業者であっても、書面の交付を省略することはできない。よって、Aは、Bが宅地建物取引業者であっても、本肢書面の交付を省略することはできない。
媒介契約書面の記載事項
12 宅地建物取引業者Aは、Bとの間で締結したB所有の宅地の売却に係る媒介契約が一般媒介契約であるか、専任媒介契約であるかを問わず、法第34条の2第1項に規定する書面に売買すべき価額を記載する必要はない。
12 誤り 一般媒介か専任媒介かを問わず、法第34条の2.1項に規定する書面(媒介契約書面)には、売買すべき価額を記載する必要がある。
13 Bが所有し、居住している甲住宅の売却の依頼を受けた媒介業者Aは、甲住宅の売買契約が成立するまでの間に、買主になろうとするDに対し、建物状況調査を実施する者のあっせんの有無について確認しなければならない。
13 誤り 売買の媒介契約を締結した宅建業者Aは、媒介契約の相手方Bに対し建物状況調査を実施する者のあっせんの有無を記載した媒介契約書面を交付する義務はあるが、媒介契約を締結していないDに対し建物状況調査を実施する者のあっせんの有無について確認する義務はない。
14 Bから、Bが所有し居住している甲住宅の売却について媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者Aが、甲住宅について、法第34条の2第1項第4号に規定する建物状況調査の制度概要を紹介し、Bが同調査を実施する者のあっせんを希望しなかった場合、Aは、同項の規定に基づき交付すべ書面に同調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載する必要はない。
14 誤り 当該建物が既存の建物であるときに、依頼者に対する建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項(あっせんの有無)を媒介契約書面に必ず記載しなければならない。よって、Aは、依頼者Bがあっせんを希望しなかった場合でも、建物状況調査を実施する者を媒介契約書面に記載しなければならない。
15 BとBが所有し居住している甲住宅の売却の専任媒介契約を締結したAは、法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に、BがA以外の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置について記載しなければならない。
15 正しい 専任媒介契約にあっては、依頼者が他の宅建業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を媒介契約書面に必ず記載しなければならない。よって、Aは、媒介契約書面に、BがA以外の宅建業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置について記載しなければならない。
16 宅地建物取引業者AがBとの間で一般媒介契約(専任媒介契約でない媒介契約)を締結し、当該媒介契約において、重ねて依頼する他の宅地建物取引業者を明示する義務がある場合、Aは、Bが明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によって売買の契約を成立させたときの措置を法第34条の2第1項の規定に基づく書面に記載しなければならない。
16 正しい 明示義務のある一般媒介契約にあっては、依頼者が明示していない他の宅建業者の媒介又は代理によって売買又は交換の契約を成立させたときの措置を媒介契約書面に記載しなければならない。
17 宅地建物取引業者AがBとB所有の宅地の売却に係る一般媒介契約を締結した場合、当該一般媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を、法第34条の2第1項に規定する書面に記載する必要はない。
17 誤り 一般媒介か専任媒介かを問わず、法第34条の2.1項に規定する書面(媒介契約書面)の作成交付義務があり、これに媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を記載する必要がある。
申込みの報告義務
18 Bと中古マンションの売却の専任媒介契約(専属専任媒介契約ではない媒介契約)を締結した宅地建物取引業者Aは、2週間に1回以上当該専任媒介契約に係る業務の処理状況をBに報告しなければならないが、これに加え、当該中古マンションについて購入の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨をBに報告しなければならない。
18 正しい 専任媒介契約(専属専任媒介契約を除く。)を締結した宅建業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。これとは別に、当該媒介契約の目的物である建物の売買の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならない。
19 宅地建物取引業者が、宅地の売却の依頼者と媒介契約を締結した場合、当該宅地の購入の申込みがあったときは、売却の依頼者が宅地建物取引業者であっても、遅滞なく、その旨を当該依頼者に報告しなければならない。
19 正しい 媒介契約を締結した宅建業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならない。このとき、売却の依頼者が宅建業者であっても、遅滞なく、その旨を当該依頼者に報告しなければならない。
価額について意見を述べる際の根拠の明示
20 Bから、Bが所有し居住している甲住宅の売却の媒介の依頼を受けたAは、甲住宅の評価額についての根拠を明らかにするため周辺の取引事例の調査をした場合、当該調査の実施についてBの承諾を得ていなくても、同調査に要した費用をBに請求することができる。
20 誤り 媒介を依頼された宅建業者が価額について意見を述べるときは根拠を明らかにする必要があるが、その根拠としての価格査定に要した費用を依頼者に請求することはできない。よって、Aは、評価額についての根拠を明らかにするために行った調査に要した費用をBに請求することはできない。
有効期間の更新の規制
21 宅地建物取引業者AがBとの間でB所有の宅地について有効期間を3月とする売買の専任媒介契約を締結した場合、期間満了前にBから当該契約の更新をしない旨の申出がない限り、当該期間は自動的に更新される。
21 誤り 専任媒介契約の有効期間は、依頼者の申出により、更新することができる。よって、当該期間が自動的に更新されることはなく、Bから当該契約の更新をしない旨の申出がない場合であっても、有効期間が自動的に更新されることはない。。
22 宅地建物取引業者AがBと締結した中古マンションの売却の専任媒介契約(専属専任媒介契約ではない媒介契約)の有効期間は、3月を超えることができず、また、依頼者の更新しない旨の申出がなければ自動更新とする旨の特約も認められない。ただし、Bが宅地建物取引業者である場合は、AとBの合意により、自動更新とすることができる。
22 誤り 専任媒介契約の有効期間は、3月を超えることができない。専任媒介契約の有効期間は、依頼者の申出により、更新することができ、これに反する特約は、無効となる。このことは、依頼者が宅建業者であるか否かを問わない。よって、依頼者Bが宅建業者であっても、自動更新とすることはできない。
相手方探索義務
23 宅地建物取引業者Aは、Bが所有する宅地の売却を依頼され、専任媒介契約を締結した。Aは、短期間で売買契約を成立させることができると判断したので指定流通機構に登録せず、専任媒介契約締結の日の9日後に当該売買契約を成立させた。宅地建物取引業法に違反する。
23 正しい 宅地の売買の専任媒介契約を締結した宅建業者は、当該専任媒介契約の締結の日から7日(休業日を除く。)以内、専属専任媒介契約にあっては5日(休業日を除く。)以内に、当該宅地につき、一定事項を、指定流通機構に登録しなければならない。Aは、指定流通機構に登録することなく、専任媒介契約締結の日から9日後(A及び指定流通機構の休業日を除く。)に売買契約を成立させているところから、専任媒介契約の締結の日から7日(休業日を除く。)以内に登録していなかったことになり、登録義務に違反する。
24 Bとの間でB所有の宅地の売却の専任媒介契約を締結した宅地建物取引業者Aが、Bから「売却を秘密にしておきたいので指定流通機構への登録をしないでほしい」旨の申出があった場合、Aは、そのことを理由に登録をしなかったとしても法に違反しない。
24 誤り 宅建業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、一定期間内に、当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき、一定事項を、指定流通機構に登録しなければならない。依頼者から登録をしないでほしい旨の申出があっても、登録をしなければならない。よって、Bの申出に応えて登録しなかったとしても、Aは宅建業法に違反する。
25 Bと中古マンションの売却の専任媒介契約(専属専任媒介契約ではない媒介契約)を締結した宅地建物取引業者Aは、当該専任媒介契約の締結の日から7日(ただし、Aの休業日は含まない。)以内に所定の事項を指定流通機構に登録しなければならず、また、法第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なくBに提示しなければならない。
25 誤り 宅建業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、当該専任媒介契約の締結の日から7日(ただし、休業日数は含まない。)以内に、当該専任媒介契約の目的物である建物につき、所定の事項を、指定流通機構に登録しなければならない。そして、登録をした宅建業者は、第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない。提示しただけでは足りない。
26 BとBが所有し居住している甲住宅の売却の専属専任媒介契約を締結したAは、当該媒介契約締結日から7日以内(休業日を含まない。)に、指定流通機構に甲住宅の所在等を登録しなければならない。
26 誤り 宅建業者は、専属専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、当該媒介契約締結日から5日以内(休業日を含まない。)に、当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき、所在、規模、形質、売買すべき価額その他一定事項を、指定流通機構に登録しなければならない。よって、Aは、7日以内ではなく、5日以内(休業日を含まない。)に、指定流通機構に甲住宅の所在等を登録しなければならない。
27 宅地建物取引業者Aは、宅地建物取引業者でないEから宅地の売却についての依頼を受け、専属専任媒介契約を締結したときは、当該宅地について法で規定されている事項を、契約締結の日から休業日数を含め5日以内に指定流通機構へ登録する義務がある。
27 誤り 宅建業者は、専属専任媒介契約を締結したときは、当該専属専任媒介契約の締結の日から5日以内に所定の事項を指定流通機構に登録しなければならない。ここにいう5日の期間には、休業日数は含まない。よって、Aは、契約締結の日から休業日数を含めるのではなく、これを除いて5日以内に指定流通機構へ登録する義務がある。
28 宅地建物取引業者Aは、Cが所有する乙アパートの売却に係る媒介の依頼を受け、Cと専任媒介契約を締結した。このとき、Aは、乙アパートの所在、規模、形質、売買すべき価額、依頼者の氏名、都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なものを指定流通機構に登録しなければならない。
28 誤り 宅建業者は、建物の売買の専任媒介契約を締結したときは、当該建物につき、所在、規模、形質、売買すべき価額、当該建物に係る都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なもの、当該専任媒介契約が専属専任媒介契約である場合はその旨を、指定流通機構に登録しなければならない。しかし、依頼者の氏名は、登録事項にあたらない。
29 Bと中古マンションの売却の専任媒介契約(専属専任媒介契約ではない媒介契約)を締結した宅地建物取引業者Aは、当該専任媒介契約の締結の日から7日(ただし、Aの休業日は含まない。)以内に所定の事項を指定流通機構に登録しなければならず、また、法第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なくBに提示しなければならない。
29 誤り 宅建業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、当該専任媒介契約の締結の日から7日(ただし、休業日数は含まない。)以内に、当該専任媒介契約の目的物である建物につき、所定の事項を、指定流通機構に登録しなければならない。そして、登録をした宅建業者は、第50条の6に規定する登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない。提示しただけでは足りない。
30 宅地建物取引業者AがBとB所有の宅地の売却に係る専任媒介契約を締結した場合、当該宅地の売買契約が成立しても、当該宅地の引渡しが完了していなければ、売買契約が成立した旨を指定流通機構に通知する必要はない。
30 誤り 指定流通機構への登録に係る宅地の売買の契約が成立したときは、遅滞なく、その旨を当該登録に係る指定流通機構に通知しなければならない。よって、宅地の引渡しが完了していなくても、契約成立後遅滞なく通知する必要がある。
31 宅地建物取引業者Aは、Bが所有する宅地の売却を依頼され、専任媒介契約を締結した。宅地建物取引業者Aは、Bの要望により、指定流通機構に当該宅地を登録しない旨の特約をし、指定流通機構に登録しなかった。宅地建物取引業法に違反する。
31 正しい 宅地の売買の専任媒介契約を締結した宅建業者は、当該宅地につき、一定事項を、指定流通機構に登録しなければならず、これに反する特約は無効である。ここより、登録しない旨の特約をしたとしても、登録義務を免れない。よって、登録しなかったAは、宅建業法に違反する。
32 宅地建物取引業者Aは、Bが所有する宅地の売却を依頼され、専任媒介契約を締結した。宅地建物取引業者Aは、当該契約に係る業務の処理状況の報告日を毎週金曜日とする旨の特約をした。宅地建物取引業法に違反する。
32 誤り 宅地の売買の専任媒介契約を締結した宅建業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上(専属専任媒介契約にあっては、1週間に1回以上)報告しなければならず、これに反する特約は無効である。Aは、1週間に1回以上報告する旨の特約をしており、Aが締結した専任媒介契約が専属専任媒介契約であるか否かを問わず、宅建業法に違反しない。
33 宅地建物取引業者Aは、宅地の売却を希望するBと専任代理契約を締結した。Aは、Bの要望を踏まえ、当該代理契約に指定流通機構に登録しない旨の特約を付したため、その登録をしなかった。宅地建物取引業法に違反しない。
33 誤り 宅建業者は、専任代理契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、当該専任代理契約の目的物である宅地につき、一定事項を、指定流通機構に登録しなければならない。これに違反する特約は、無効である。よって、登録しない旨の特約は無効であり、登録をしなかったAは、宅建業法に違反する。
業務処理状況の報告義務
34 Bと中古マンションの売却の専任媒介契約(専属専任媒介契約ではない媒介契約)を締結した宅地建物取引業者Aは、2週間に1回以上当該専任媒介契約に係る業務の処理状況をBに報告しなければならないが、これに加え、当該中古マンションについて購入の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨をBに報告しなければならない。
34 正しい 専任媒介契約(専属専任媒介契約を除く。)を締結した宅建業者は、依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。これとは別に、当該媒介契約の目的物である建物の売買の申込みがあったときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならない。
取引態様の明示
35 宅地建物取引業者Aは、一団の宅地の販売について、数回に分けて広告をするときは、最初に行う広告以外は、取引態様の別を明示する必要はない。
35 誤り 宅建業者は、宅地の売買に関する広告をするときは、取引態様の別を明示しなければならない。ここから、数回に分けて広告をするときは、すべての回の広告において取引態様の別を明示する必要がある。最初に行う広告以外は、取引態様の別を明示する必要はないというものではない。
36 建物の売却について代理を依頼されて広告を行う場合、取引態様として、代理であることを明示しなければならないが、その後、当該物件の購人の注文を受けたとき、広告を行った時点と取引態様に変更がない場合でも、遅滞なく、その注文者に対し取引態様を明らかにしなければならない。
36 正しい 宅建業者は、建物の売買に関する広告をするときは、取引態様の別を明示しなければならない。 よって、代理を依頼されて広告を行う場合、取引態様として、代理であることを明示しなければならない。また、宅建業者は、建物の売買に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。このとき、広告において取引態様の別を明示していたとしても、注文時の明示を省略することはできない。
37 宅地建物取引業者Aは、宅地又は建物の売買に関する広告をする際に取引態様の別を明示した場合、当該広告を見た者から売買に関する注文を受けたときは、改めて取引態様の別を明示する必要はない。
37 誤り 宅建業者は、宅地又は建物の売買に関する広告をするときは、取引態様の別を明示しなければならない。また、宅建業者は、宅地又は建物の売買に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。ここから、広告をする際に取引態様の別を明示した場合であっても、当該広告を見た者から売買に関する注文を受けたときは、改めて取引態様の別を明示する必要がある。
38 宅地建物取引業者Aは、中古の建物の売買において、当該建物の所有者Bから媒介の依頼を受け、取引態様の別を明示せずに自社ホームページに広告を掲載したが、広告を見た者からの問い合わせはなく、契約成立には至らなかった。Aは、宅地建物取引業法に違反する。
38 正しい 宅建業者は、建物の売買に関する広告をするときは、取引態様の別を明示しなければならない。よって、取引態様の別を広告に明示しなかったときは、当該広告に関連する契約が成立しなかった場合でも、宅建業法に違反する。