税その他07/建物(32肢)

風・地震荷重

01 木造建物を耐震、耐風的な構造にするためには、できるだけ建物の形態を単純にすることが適切である。

01 適当 木造建物を耐震、耐風的な構造にするためには、できるだけ建物の形態を単純にすることが適切である。


02 地震に対する建物の安全確保においては、耐震、制震、免震という考え方がある。

02 適当 地震に対する建物の安全確保として、耐震、制震、免震という考え方がある。耐震とは、建物の柱、梁、壁を頑丈なものとし、建物そのものの強度で地震の揺れに耐えるようにするものである。制震とは、制震装置を建物内に設置し、地震エネルギーを吸収し建物に伝わりにくくするものである。免震とは、基礎と建物の間に免震装置を設け、いわば地面と建物を切り離し、地震の揺れを建物に伝わりにくくするものである。


03 耐震は、建物の強度や粘り強さで地震に耐える技術であるが、既存不適格建築物の地震に対する補強には 利用されていない。

03 不適当 耐震は、揺れに耐える強度や粘り強さをもった建物にすることで地震に耐える技術である。壁や柱を強化したり、補強材を入れることで建物自体を堅くすることにより既存不適格建築物についても耐震の技術が用いられている。


04 制震は制振ダンパーなどの制振装置を設置し、地震等の周期に建物が共振することで起きる大きな揺れを制御する技術である。

04 適当 制震は、制震ダンパー(壁や柱、梁などの接合部付近に設置されるオイルを封入したもの、金属やゴムでつくられた衝撃や振動を弱めるための装置)や錘などの制震装置を建物内に設置することにより、地震エネルギーを吸収し建物に伝わりにくくして、地震等の周期に建物が共振することで起きる大きな揺れを軽減、制御する技術である。


05 免震はゴムなどの免震装置を設置し、上部構造の揺れを減らす技術である。

05 適当 免震は、積層ゴム(薄いゴム板と鋼板を交互に重ねて接着したもの)やオイルダンパー(内部にオイルを封入し、小さい穴の開いたピストンで仕切った筒状の装置)などの免震装置を建物の下部構造(基礎部分)と上部構造(建物部分)との間に設置し、いわば地面と建物を切り離して、地震エネルギーを吸収して地震の揺れを建物に伝わりにくくし、上部構造(建物部分)の揺れを減らす技術である。

構造形式(建物の重さや地震の力などを伝える部材同士の組み方の方法)

06 ラーメン構造は、柱を鉛直方向、梁を水平方向に配置し、接合部を強く固めた構造である。

06 適当 ラーメン構造は、柱と梁で骨組みを作り接合部をしっかり固定した構造である。すなわち、柱を鉛直方向、梁を水平方向に配置し、接合部を強く固めた構造をいう。


07 プレース構造は、柱や梁などで構成された四角形の対角線上に部材を入れた構造である。

07 適当 プレース構造は、骨組みに鉄骨材などで作られた建物の補強材であるブレースを柱と梁に囲まれた面に斜め(筋交い状)に配する構造をいう。すなわち、柱や梁などで構成された四角形の対角線上に部材を入れた構造である。


08 プレース構造は、骨組全てに用いることが多く、ラーメン構造など他の構造と併用することはない。

08 不適当 プレース構造は、ラーメン構造など他の構造と併用することはないというものではない。

建物の構成

09 建物の構成は、大きく基礎構造と上部構造からなっており、基礎構造は地業と基礎盤から構成されている。

09 適当 建物の構成は、大きく基礎構造と上部構造からなっており、基礎構造は地業と基礎盤から構成されている。


10 上部構造は、重力、風力、地震力等の荷重に耐える役目を負う主要構造と、屋根、壁、床等の仕上げ部分等から構成されている。

10 適当 上部構造は、重力、風力、地震力等の荷重に耐える役目を負う主要構造と、屋根、壁、床等の仕上げ部分等から構成されている。

基 礎

11 基礎は、硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造とも堅固に緊結する必要がある。

11 適当 基礎は、硬質の支持地盤に設置するとともに、上部構造とも堅固に緊結する必要がある。


12 基礎の種類には、基礎の底面が建物を支持する地盤に直接接する直接基礎と、建物を支持する地盤が深い場合に使用する杭基礎(杭地業)がある。

12 適当 基礎は、直接基礎と杭基礎に大別できる。直接基礎は、基礎の底面が建物を支持する地盤に直接接するもの、基礎を地盤の上に直接載せるものを指す。杭基礎(杭地業)とは、強い地盤がある深さまで杭を打ち込み、この杭により建物を支えるものをいう。


13 直接基礎の種類には、形状により、柱の下に設ける独立基礎、壁体等の下に設けるべた基礎、建物の底部全体に設ける布基礎(連続基礎)等がある。

13 不適当 直接基礎とは、建物の直接基礎の種類として、独立基礎、布基礎(連続基礎)、べた基礎がある。独立基礎とは、各柱にコンクリートの基礎を置き、基礎同士はつながっておらず、点で建物を支える方式といえる。布基礎(連続基礎)とは、フーチングと呼ばれるTの字を逆にした断面形状の鉄筋コンクリートを壁体等の下に連続して設ける基礎をいい、線で建物を支える方式といえる。べた基礎は、底板一面を鉄筋コンクリートとし、建物の荷重を底板全体で受け止め、建物を面で支える方式といえる。ここより、柱の下に設けるのは独立基礎であるが、壁体等の下に設けるのはべた基礎ではなく布基礎(連続基礎)であり、建物の底部全体に設けるのは布基礎(連続基礎)ではなくべた基礎である。

軸組み構法

14 木構造は、主要構造を木質系材料で構成するものであり、在来軸組構法での主要構造は、一般に軸組、小屋組、床組からなる。

14 適当 木構造は、主要構造を木質系材料で構成するものである。在来軸組構法とは、日本で昔から用いられる木造建築物の工法をいう。軸組構法、すなわち柱、梁、筋交いによる骨組みで建物を支える工法である。在来軸組構法の主要構造は、土台・柱・桁・筋違いなどから構成される建物の主要部の骨組みである軸組、屋根を支えるための骨組みである小屋組、床を支える骨組みである床組からなる。


15 在来軸組構法の軸組は、通常、水平材である土台、桁、胴差と、垂直材の柱及び耐力壁からなる。

15 適当 在来軸組構法の軸組は、通常、水平材である土台、桁(棟木と平行方向に横に渡して柱間に架ける水平部材)、胴差(どうさし・上階と下階の境界に用いる横架材)と、垂直材の柱及び耐力壁からなる。


16 小屋組は屋根の骨組であり、小屋梁、小屋束、母屋、垂木等の部材を組み合わせた和小屋と、陸梁、束、法杖等の部材で形成するトラスト構造の洋小屋がある。

16 適当 小屋組は屋根の骨組であり、小屋梁(屋根部分の最下部にある建物に水平に配置する部材である梁)、小屋束(こやづか・小屋梁の上に立てる短い柱である束)、母屋(もや・軒に平行して垂木を支持する水平材)、垂木(屋根を支えるため、棟から軒先に渡して屋根面を構成する木)等の部材を組み合わせた和小屋と、陸梁(ろくばり・屋根部分の一番下に水平におかれる部材)、束(陸梁の上に立てる部材)、法杖(垂直材と水平材とが交わる所に、補強のために入れる斜めの部材)等の部材で形成するトラスト構造の洋小屋がある。


17 軸組に仕上げを施した壁には、真壁と大壁があり、真壁のみで構成する洋風構造と、大壁のみで構成する和風構造があるが、これらを併用する場合はない。

17 不適当 軸組に仕上げを施した壁には、真壁(しんかべ・柱と柱の間に仕上げる壁で柱が見える)と大壁(おおかべ・柱の外側から張る壁で柱が見えなくなる)がある。大壁は洋風建築物に多く見られるところから、洋風構造は真壁のみで構成するとはいえない。また、真壁は和風建築物で多く見ることができ、和風構造は大壁のみで構成するはいえない。さらに、これらを併用する場合はないともいえない。

枠組壁工法

18 壁式構造は、板状の壁と床を箱型に組み、建物とする構造で、原則として柱や梁は用いない。

18 適当 壁式構造は、壁・床・天井の6つの面で躯体を支える構造をいう。すなわち、板状の壁と床を箱型に組み、建物とする構造で、原則として柱や梁は用いない。

鉄骨造

19 鉄骨構造は、主要構造の構造形式にトラス、ラーメン、アーチ等が用いられ、高層建築の骨組に適している。

19 適当 鉄骨構造は、主要構造の構造形式にトラス、ラーメン、アーチ等が用いられる。また、靱性(粘り強さ)が大きく、耐震性が高いところから、高層建築の骨組に適している。


20 鉄骨構造は、工場、体育館、倉庫等の単層で大空間の建物に利用されている。

20 適当 鉄骨構造は、靱性(粘り強さ)が大きく、耐震性が高いところから、工場、体育館、倉庫等の単層で大空間の建物に利用されている。


21 鉄骨構造は、耐火被覆や鋼材の加工性の問題があり、現在は住宅、店舗等の建物には用いられていない。

21 不適当 鉄骨構造は、耐火被覆や鋼材の加工性の問題があるが、住宅、店舗等の建物にも用いられている。


22 鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいことから、鋼材の防錆処理を行う必要はない。

22 不適当 鉄骨造は、不燃構造であり、靭性が大きいが、鉄は錆びやすく、鋼材の防錆処理を行う必要がある。


23 鉄骨構造の床は既製気泡コンクリート板、プレキャストコンクリート板等でつくられる。

23 適当 鉄骨構造の床は既製気泡コンクリート板、プレキャストコンクリート板等でつくられる。

鉄筋コンクリート造

24 近年、コンクリートと鉄筋の強度が向上しており、鉄筋コンクリート造の超高層共同住宅建物もみられる。

24 適当 近年、コンクリートと鉄筋の強度が向上しており、鉄筋コンクリート造の超高層共同住宅建物もみられる。


25 鉄筋コンクリート構造は、地震や風の力を受けても、躯体の変形は比較的小さく、耐火性にも富んでいる。

25 適当 鉄筋コンクリート構造は、地震や風の力を受けても、躯体の変形は比較的小さく、耐火性にも富んでいる。


26 鉄筋コンクリート構造は、躯体の断面が大きく、材料の質量が大きいので、建物の自重が大きくなる。

26 適当 鉄筋コンクリート構造は、躯体の断面が大きく、材料の質量が大きいので、建物の自重が大きくなる。


27 鉄筋コンクリート構造は、コンクリートが固まって所定の強度が得られるまでに日数がかかり、現場での施工も多いので、工事期間が長くなる。

27 適当 鉄筋コンクリート構造は、コンクリートが固まって所定の強度が得られるまでに日数がかかり、現場での施工も多いので、工事期間が長くなる。


28 鉄筋コンクリート構造では、鉄筋とコンクリートを一体化するには、断面が円形の棒鋼である丸鋼の方が表面に突起をつけた棒鋼である異形棒鋼より、優れている。

28 不適当 鉄筋がコンクリートから抜け出さないよう鉄筋とコンクリートを一体化するには鉄筋とコンクリートとの付着が重要であり、付着を高めるため表面に突起をつけた棒鋼である異形棒鋼の方が断面が円形の棒鋼である丸鋼より優れている。

組積構造

29 組積式構造は、耐震性は劣るものの、熱、音などを遮断する性能が優れている。

29 適当 組積式構造は、一般に耐震性は劣る。ただ、耐久性及び耐火性があり、熱や音の遮断性能にも優れている。


30 組積式構造を耐震的な構造にするためには、大きな開口部を造ることを避け、壁厚を大きくする必要がある。

30 適当 組積式構造において、大きな開口部を造ることを避け、壁厚を大きくすることで、耐震性を向上させることができる。

補強コンクリートブロック造

31 補強コンクリートブロック造は、壁式構造の一種であり、コンクリートブロック造を鉄筋コンクリートで耐震的に補強改良したものである。

31 適当 補強コンクリートブロック造は、建築物の骨組みの主要な部分を鉄筋によって補強したブロック造の壁体(耐力壁)で構成する構法をいう。つまり、コンクリートブロック造を鉄筋コンクリートで耐震的に補強改良したものといえる。柱、梁の代わりに壁で荷重を支持する構造である壁式構造の一種である。


32 補強コンクリートブロック造は、壁量を多く必要とはせず、住宅等の小規模の建物には使用されていない。

32 不適当 補強コンクリートブロック造は、柱がなく、壁により上階、屋根等の荷重を支える構造であるところから、壁量が多くなり、広い空間がとりにくい。ここから、間仕切り壁が多く、開口部の小さい住宅等の小規模の建物に適している。

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