宅建業法10/重要事項説明1(28肢)

説明一般

01 宅地建物取引業者が、宅地建物取引業者ではない個人から媒介業者の仲介なしに土地付建物を購入する場合、買主である宅地建物取引業者は重要事項説明書を作成しなくても宅地建物取引業法違反とならない。

01 正しい 重要事項説明書は、権利を取得する者、売買でいえば買主に交付し、売主には交付しない。よって、買主である宅建業者は、重要事項説明書を作成しなくても宅建業法違反とならない。


02 宅地建物取引業者が、重要事項説明書を作成する際、調査不足のため、重要事項説明書に記載された内容が事実と異なるものとなったが、意図的に事実と異なる内容を記載したものではないため、宅地建物取引業法違反とならない。

02 誤り 宅建業者は、事実と異なる内容を重要事項説明書に記載してはならず、重要事項説明書に記載された内容が事実と異なるものであるときは、意図的に事実と異なる内容を記載したものではなくても、宅建業法違反となる。


03 宅地建物取引業者である売主は、他の宅地建物取引業者に媒介を依頼して宅地の売買契約を締結する場合、宅地建物取引業者ではない買主に対し重要事項説明の義務を負わない。

03 誤り 宅建業者は、宅地の売買の相手方に対して、その者が取得しようとしている宅地に関し重要事項説明の義務を負う。このとき、他の宅建業者に媒介を依頼していたとしても、売主になろうとする宅建業者が相手方に対して重要事項説明の義務を負うことに変わりはない。


04 宅地建物取引業者は、土地売買の媒介を行う場合、宅地建物取引業者ではない売主に対して契約が成立する前までの間に、宅地建物取引士をして重要事項説明書を交付して説明をさせなければならない。

04 誤り 重要事項の説明は、権利を取得する者、売買でいえば買主に説明すれば足り、売主に説明する必要はない。よって、土地売買の媒介を行う宅建業者は、売主に対して、宅建士をして重要事項説明書を交付して説明をさせる必要はない。


05 売主及び買主が宅地建物取引業者ではない場合、当該取引の媒介業者は、売主及び買主に重要事項説明書を交付し、説明を行わなければならない。

05 誤り 売買の媒介を行う宅建業者は、媒介に係る売買の各当事者に対して、その者が取得しようとしている宅地又は建物に関し、重要事項説明書を交付し、説明を行わなければならない。売買において宅地又は建物を取得しようとしているものは買主であり、売主ではない。よって、媒介業者は、買主に重要事項の説明を行えば足り、売主及び買主に重要事項説明書を交付し、説明を行わなければならないというものではない。


06 甲宅地を所有する宅地建物取引業者Aが、乙宅地を所有する宅地建物取引業者ではない個人Bと、甲宅地と乙宅地の交換契約を締結するに当たって、Bに対して、甲宅地に関する重要事項の説明を行う義務はあるが、乙宅地に関する重要事項の説明を行う義務はない。

06 正しい 宅建業者は、宅地の交換の相手方に対して、その者が取得しようとしている宅地に関し重要事項の説明を行う義務がある。宅建業者Aが所有する甲宅地とBが所有する乙宅地の交換にあって、Bが取得しようとしている宅地は、甲宅地である。よって、Aは、Bに対して、甲宅地に関する重要事項の説明を行う義務がある。しかし、乙宅地に関する重要事項の説明を行う義務はない。


07 宅地建物取引業者は、その媒介により売買契約が成立したときは、当該契約の各当事者に、遅滞なく、重要事項説明書を交付しなければならない。

07 誤り 宅建業者は、売買の契約が成立するまでの間に、宅建士をして、買主になろうとする者に対し、重要事項説明書を交付して説明をさせなければならない。ここより、重要事項説明書は、売買契約が成立したときではなく、売買契約が成立する前に、当該契約の各当事者ではなく、買主に対し交付しなければならない。


08 法人Cが所有する乙建物の個人Dへの賃貸を宅地建物取引業者Eが媒介し、当該賃貸借契約が成立したときは、EはDに対し、宅地建物取引士をして、法第35条の規定に基づく書面を交付し説明をさせなければならない。

08 誤り 媒介における重要事項の説明は、媒介に係る契約が成立するまでにしなければならない。よって、賃貸を媒介するEは、当該賃貸借契約が成立したときではなく、成立するまでの間に宅建士をして重要事項説明書を交付し説明をさせなければならない。


09 重要事項の説明は、宅地建物取引業者の事務所において行わなければならない。

09 誤り 重要事項の説明を行う場所については、特に規制はない。よって、宅建業者の事務所において行わなければならないというものではない。

説明の方法

10 建物の貸借の媒介を行う宅地建物取引業者が「建物の貸主が宅地建物取引業者で、代表者が宅地建物取引士であり建物の事情に詳しいことから、その代表者が作成し、記名した重要事項説明書がこちらになります。当社の宅地建物取引士は同席しますが、説明は貸主の代表者が担当します。」という発言に続けて重要事項の説明を行った場合、宅地建物取引業法の規定に違反しない。

10 誤り 宅建業者が貸借の媒介を行う場合、当該宅建業者が自ら作成した重要事項説明書により、当該宅建業者の宅建士をして重要事項を説明させる必要がある。ここより、「貸主が宅地建物取引業者で、代表者が宅地建物取引士であり建物の事情に詳しいことから、その代表者が作成し、記名した重要事項説明書がこちらになります。当社の宅地建物取引士は同席しますが、説明は貸主の代表者が担当します」との発言に続けて重要事項の説明を行ったことは、宅建業法に違反する。


11 建物の貸借の媒介を行う宅地建物取引業者が「この物件の担当である弊社の宅地建物取引士が本日急用のため対応できなくなりましたが、せっかくお越しいただきましたので、重要事項説明書にある宅地建物取引士欄を訂正の上、宅地建物取引士である私が記名をし、代わりに説明をいたします。私の宅地建物取引士証をお見せします。」という発言に続けて重要事項の説明を行った場合、宅地建物取引業法の規定に違反する。

11 誤り 重要事項の説明は、宅建士であれば、宅建士証を提示して、だれが行ってもよい。また、重要事項説明書には、宅建士をして記名させる必要があるが、これは、説明に係る事務を行った宅建士を特定し、その職務責任を明確にするとともに、当該取引の重要事項説明書として交付した事実を確認、証するためであるところから、実際に重要事項の説明を行う宅建士が、重要事項説明書の宅建士欄を訂正し、記名することができる。以上より、「重要事項説明書にある宅地建物取引士欄を訂正の上、宅地建物取引士である私が記名をし、代わりに説明をいたします。私の宅地建物取引士証をお見せします」という発言に続けて重要事項の説明を行ったことは、宅建業法に違反しない。


12 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに対し建物の売却を行う場合、Aは、Bに対し、専任の宅地建物取引士をして宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明をさせなければならない。

12 誤り 宅建業者は、宅建士をして重要事項の説明をさせなければならない。ただ、宅建士であれば足り、専任の宅建士をして説明をさせなければならないというものではない。


13 建物の貸借の媒介を行う宅地建物取引業者が「本日は重要事項の説明を行うためにお電話しました。お客様はIT環境をお持ちでなく映像を見ることができないとのことですので、宅地建物取引士である私が記名した重要事項説明書は現在お住いの住所に郵送いたしました。このお電話にて重要事項の説明をさせていただきますので、お手元でご覧いただきながらお聞き願います。」という発言に続けて重要事項の説明を行った場合、宅地建物取引業法の規定に違反する。

13 正しい 重要事項の説明は、重要事項説明書を交付して説明することになっており、宅建士が説明の相手方と直接面会し、相手方の手許にある重要事項説明書の内容を順次説明するという対面方法で行うことが予定されているといえる。よって、電話による説明は、宅建業法に違反する。


14 宅地又は建物の取引は権利関係や法令上の制限など取引条件に関する事項が複雑で多岐にわたるため、重要事項説明書は、宅地又は建物の取引の専門的知識を有する宅地建物取引士が作成しなければならない。

14 誤り 重要事項の説明は、宅建士をして行わせる必要があるが、重要事項説明書の作成は、宅建士が作成しなければならないというものではない。


15 重要事項説明書には、代表者の記名があれば宅地建物取引士の記名は必要がない。

15 誤り 宅建士は、重要事項説明書に記名しなければならない。代表者の記名があっても、重要事項説明書には宅建士の記名が必要である。


16 宅地建物取引業者は、重要事項説明書の交付に当たり、専任の宅地建物取引士をして当該書面に記名させるとともに、売買契約の各当事者にも当該書面に記名させなければならない。

16 誤り 宅建業者は、重要事項説明書の交付に当たっては、宅建士をして当該書面に記名させなければならない。よって、専任の宅建士をして記名させる必要はない。また、売買契約の各当事者にも当該書面に記名させる必要はない。


17 重要事項説明書に記名する宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなければならないが、実際に重要事項の説明を行う者は専任の宅地建物取引士でなくてもよい。

17 誤り 宅建士は、重要事項説明書に記名しなければならない。ここに記名する宅建士は、専任の宅建士である必要はない。実際に重要事項の説明を行う者は専任の宅建士でなくてもよいという点は、正しい。


18 宅地建物取引業者は、重要事項説明書の交付に当たり、専任の宅地建物取引士をして当該書面に記名させるとともに、売買契約の各当事者にも当該書面に記名させなければならない。

18 誤り 宅建業者は、重要事項説明書の交付に当たっては、宅建士をして当該書面に記名させなければならない。よって、専任の宅建士をして記名させる必要はない。また、売買契約の各当事者にも当該書面に記名させる必要はない。


19 重要事項の説明を行う宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなくてもよいが、書面に記名する宅地建物取引士は専任の宅地建物取引士でなければならない。

19 誤り 宅建士は、重要事項説明書に記名しなければならない。ただ、この記名する宅建士は、専任の宅建士である必要はない。重要事項の説明を行う宅建士は専任の宅建士でなくてもよいという点は、正しい。


20 宅地建物取引業者の従業者は、取引の関係者の請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならないが、宅地建物取引士は、重要事項の説明をするときは、請求がなくても説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

20 正しい 宅建業者の従業者は、取引の関係者の請求があったときは、従業者証明書を提示しなければならない。これに対し、宅建士は、重要事項の説明をするときは、説明の相手方に対し、請求がなくても宅建士証を提示しなければならない。


21 宅地建物取引士は、重要事項説明をする場合、取引の相手方から請求されなければ、宅地建物取引士証を相手方に提示する必要はない。

21 誤り 宅建士は、重要事項の説明するときは、説明の相手方に対し、宅建士証を提示しなければならない。ここより、宅建士は、重要事項説明をする場合、取引の相手方から請求されなければ、宅建士証を相手方に提示する必要はないというものではない。


22 宅地建物取引士証を亡失した宅地建物取引士は、その再交付を申請していても、宅地建物取引士証の再交付を受けるまでは重要事項の説明を行うことができない。

22 正しい 宅建士は、重要事項の説明をするときは、説明の相手方に対し、宅建士証を提示しなければならない。よって、宅建士証を亡失した宅建士は、その再交付を申請していても、宅建士証の再交付を受けるまでは宅建士証を提示することができず、重要事項の説明を行うことができない。


23 宅地建物取引士は、テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、相手方の承諾があれば宅地建物取引士証の提示を省略することができる。

23 誤り テレビ会議等のITを活用して重要事項の説明を行うときは、宅建士が、宅建士証を提示し、重要事項の説明を受けようとする者が、当該宅建士証を画面上で視認できたことを確認していることが必要である。よって、宅建士は、相手方の承諾があっても、宅建士証の提示を省略することはできない。


24 建物の貸借の媒介を行う宅地建物取引業者が「本日はお客様のご希望ですので、テレビ会議を用いて重要事項の説明を行います。当社の側の音声は聞こえていますでしょうか。十分に聞き取れたとのお返事、こちらにも聞こえました。では、説明を担当する私の宅地建物取引士証をお示ししますので、画面上でご確認をいただき、私の名前を読み上げていただけますでしょうか。そうです。読み方も間違いありません。それでは、双方音声・映像ともやりとりできる状況ですので、説明を始めます。事前にお送りした私が記名した重要事項説明書をお手元にご用意ください。」という発言に続けて重要事項の説明を行った場合、宅地建物取引業法の規定に違反しない。

24 正しい 重要事項の説明にテレビ会議等のITを活用するに当たっては、次に掲げるすべての事項を満たしている場合に限り、対面による重要事項の説明と同様に取り扱うこととする。①宅建士及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していること。②宅建士により記名された重要事項説明書及び添付書類を、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ交付していること。③重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあること並びに映像及び音声の状況について、宅建士が重要事項の説明を開始する前に確認していること。④宅建士が、宅建士証を提示し、重要事項の説明を受けようとする者が、当該宅建士証を画面上で視認できたことを確認していること。「当社の側の音声は聞こえていますでしょうか。十分に聞き取れたとのお返事、こちらにも聞こえました。では、説明を担当する私の宅地建物取引士証をお示ししますので、画面上でご確認をいただき、私の名前を読み上げていただけますでしょうか。そうです。読み方も間違いありません。それでは、双方音声・映像ともやりとりできる状況ですので、説明を始めます。事前にお送りした私が記名した重要事項説明書をお手元にご用意ください。」との発言は、上記①から④の事項をみたしており、この発言に続けて重要事項の説明を行ったことは、宅建業法に違反しない。

重要事項説明書の電磁的方法による提供

25 重要事項説明書の電磁的方法による提供については、重要事項説明を受ける者から電磁的方法でよいと口頭で依頼があった場合、改めて電磁的方法で提供することについて承諾を得る必要はない。

25 誤り 宅建業者は、相手方等の承諾を得て、宅建士に、重要事項説明書に記載すべき事項を電磁的方法により提供させることができる。ここに承諾は、電磁的方法による提供に用いる電磁的方法の種類及び内容を示した上で、当該相手方等から書面又は一定の電子情報処理組織を使用する方法によって得る必要がある。よって、重要事項説明を受ける者から電磁的方法でよいと口頭で依頼があった場合であっても、改めて書面又は一定の電子情報処理組織を使用する方法によって電磁的方法で提供することについての承諾を得る必要がある。

権利取得者が宅建業者である場合の特例

26 宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者であっても、重要事項説明書を交付しなければならない。

26 正しい 買主が宅建業者であるとき、宅建業者は、重要事項の説明をする必要はないが、重要事項説明書は交付しなければならない。


27 宅地建物取引業者Aが所有する甲建物を法人Bに売却するに当たり、Bが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、AはBに対し、宅地建物取引士をして、法第35条の規定に基づく書面を交付し説明をさせなければならない。

27 誤り 宅建業者である買主に対しては、重要事項説明書を交付すれば足り、説明は不要である。よって、Bが宅建業者であるか否かにかかわらず、AはBに対し、宅建士をして、重要事項の説明をさせなければならないというものではない。


28 宅地の売買について売主となる宅地建物取引業者は、買主が宅地建物取引業者である場合、重要事項説明書を交付しなければならないが、説明を省略することはできる。

28 正しい 宅建業者は、重要事項を説明すべき相手が宅建業者であるときは、重要事項説明書を交付する必要はあるが、説明を省略することができる。

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